観光地でもある大都会クアラルンプールですが、ガイドブックにも載っていないローカル色あふれる地域を訪れてみます。今回訪れたのはクアラルンプールの南東にあるカジャン・バスターミナル周辺。カジャンはスランゴール州の大きな街で、MRTカジャン線やKTM(マレーシア国鉄)が通る交通の要衝。その先に大きなバスターミナルがあるようなので行ってみました。
※ あまり観光にも買い物にもグルメにも役立ちません(笑)。KLにこんな場所があるんだな、というだけのお話です。
カジャン・バスターミナルはどこにあるの
最近バスでのお出かけに凝っています。どこか良い路線は無いかと Rapid KL のHPを見ていると450番バスの終点にバスターミナルを発見。
クアラルンプールの長距離バス発着はほとんどTBSバスターミナルに集約されたと思っていましたが、他にもあるのですね。どんな場所か行ってみることにしました。
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Rapid KL – Bus Info に移動します。

カジャン・バスターミナル行きの450番バスはチャイナタウンの東北側にあるバスターミナル Hub Lebuh Pudu (通称コタラヤ)から出ます。ディスカウントショップ MYDEN の前なので分かりやすいですね。
20分間隔とありましたが、ラッシュ時をはずすと便数が減るのか1時間近く待ちました。やってきたのは大型の2階建てバス。2階の最前席は全面展望が良いのでお気に入りの車体です。

なかなか来なかったバスですが、平日のラッシュ時後なので道路はスカスカ(車内もスカスカ)。連邦道1号線を順調に南下します。プドゥ市場、マルリ・イオンを通過しチュラスの Eko Cheras Mall 前を通過。この先は KL を出てスランゴール州になります。
実は連邦直轄領であるクアラルンプールは意外に狭く、南北20Km東西10Kmくらいしかありません。周囲はすべてスランゴール州です。


KL市内の1号線は新しく大きな道路ですが、郊外は昔の雰囲気を残す街道。やがて前方の高架に鉄道が走っているのを発見。これはKLで2番目に新しい2016年開業のMRTカジャン線。カジャンの街とクワサ・ダマンサラ47Kmを結びます。


カジャン線スタジアム駅を通過するとバスは旧市街に入ります。屋根つき通路をもつ2階建て商店( two-story house)という典型的な古い町並みが残る。ここも一度じっくり訪問したい場所。でも目的地はここからさらに5Kmほど南です。


カジャン・バスタはこんな所
出発から1時間、30Kmほど走って終点がカジャン・バスタ。運賃は3リンギッ(¥105)でした。
バスが停まった所には、上に行く階段があり登ってみると…


上に登るとかなり続く細長い空間。そこには下に降りる階段が十数個所ありました。この雰囲気は覚えがあります。
現在KLを発着する長距離バスのほとんどはBTS(Bandar Tasik Selatan)バスターミナルに集約されていますが、以前はKL各地にバスタがありました。2008年にKLからマラッカに行った時は、チャイナタウンに近いプドゥ・バスタから乗りましたけど雰囲気が同じです。
※ プドゥ・バスタは現在も建物は残り、少しだけ商業施設があります。


1階のバス乗り場には数台の長距離バスが停まっていました。どうもバスタとしてまだ使われているみたい。2階にはバス会社が3社ほどありましたが人気も無く、夜行バスが少し出ているだけなのかな?


バスタの建物を外から見てみると、なかなか立派。建物には加影巴士総站広場の漢字。「站」は中国語で駅、巴士はバスの音訳です。すると加影でカジャンなのでしょう。

かつてはスランゴール州とKL南部の主要バスタとして多くの乗客が行き来していたことでしょう。バスタとしての機能が限定的な現在、広い構内は閑散としています。でも、少しだけ店がありました。




バスタ周辺も歩いてみた
グーグルマップでバスタ周辺の俯瞰画像を見ると、きっちり区画整理された建物群が並びます。
1階が店舗、上階が住宅という古いタイプの集合住宅地です。住宅は少し古びていますが、店舗は看板もきれいで過疎化まではいっていない様子。

(グーグルマップ俯瞰図)

CS Grocer というスーパーを発見。聞いたことが無いので調べてみたが、チェラス・カジャンにしかないチェーン店みたい。


ひときわ新しく、派手な看板の店がありました。多民族国家のマレーシアでは英語表記も多いのですが、ここはマレー語のみ。衣料品店ですが店頭には「愛国Tシャツ」(トラタロウ命名)が並びます。
これはマレーシア独特の物で国旗、KLの有名建築、Merdeka(独立の意)、独立記念碑、独立宣言をする初代首相など1957年8/31の独立関係満載のTシャツ。独立記念日前には特に着用者が増えますが、通年で見かけます。
ただしマレーシア人でも着るのはマレー系だけで、華人系・インド系が着ているのを見たことがありません。これからこのあたりの住人はマレー系が中心だと分かりますね。


バスタと住宅街以外はさしたる見所がありません。お昼時なので近くにある Bangi Square なるフードコートにいってみました。

郊外の小さなフードコートと思っていたらビックリ! 小さな体育館ほどもある飲食スペースが広がり、フード屋台もかなりありました。平日なので利用者はそんなにいませんが、週末は近隣住民が車でやって来る感じです。

マレーシアのフードコートは2種類に分かれます。一つは華人系(中国系)の豚肉も使うノン・ハラール(イスラム教徒飲食不可)物。そしてここは明らかにイスラム教徒が食べられるハラール物です。
ここからもこのあたりがイスラム教徒がほとんどのマレー系地区だと分かりますね。


何を食べようか迷っていると8月に訪れたインドネシア料理の看板発見。マレーシア・インドネシア両国は民族・宗教・文化が近しい兄弟国です。飲食物・お菓子も共通の物が多いのです。
※ インドネシア関係はこちらもご覧下さい
インドネシアに行ったのでマレーシアと比べてみた に移動します。
世界のB級グルメ/27 屋台・ローカル食堂飯 in インドネシア に移動します。
世界のB級グルメ/28 麺類事情 in インドネシア に移動します。
世界のB級グルメ/29 お菓子 in インドネシア に移動します。
インドネシアで気に入ったお粥・ブブール (Bubur) を食べてみた。具沢山でうれしい。


バスタ北側にも行ってみた
バスタの北側にも古い住宅街が広がります。

古い住宅地は平日午後なので閑散としていますが、住人はそこそこにいる様子。1階部分にはファストフード店やナシカンダー(イスラム系インド料理)が入っており、商業施設としては一応機能しています。


でも誰も住んでなさそうな部屋も多い。道路と鉄道を挟んだ東側には、新し気なマンション群があるので、旧住民はそっちに移ってしまったのかも。


道路沿いに商業施設がありました。アラブレストランなんてあります。漢字の看板はひとつも見かけませんし、華人らしき人も見ませんでした。



マレーシア版100均のひとつ Ninso がありました。2.6リンギッ(¥91)商品が主流の雑貨店です。
以前は2.4リンギッだったが100均大手のEcoShop が値上げをしたので、それに追従した模様。
KL中心部では見かけず、郊外に店舗をおいているみたい。ここ以外ではアンパン駅前店に行ったことがあります。そこは華人もいました。
ここはマレー系の居住地なので華人系・インド系は買いそうもない商品がありました。それが次の画像です。


マレー系は「我が祖国、我が郷土」という感情を持っており、国旗・州旗を飾ったりします。でも華人系・インド系はちょっと冷めた感情を持つのかあまり使いません。
車に国旗をつけている人もいますが、間違いなくマレー系でしょう。ちなみにトラタロウは安全のため(ドライバーに発見してもらえる)自転車に国旗をつけていますが、マレー系住民にうけます。

Ninso の前にKTM(マレーシア国鉄)の「Kajan 2 駅」があります。 Kajan駅は別にあるが、マンション増加でこの辺の住民が増えたので増設したのかな? でもネーミングが安直だな。


そうこうしているうちにスコールがやって来ました。夕刻にスコールが来ると道路が渋滞する可能性があるので、KL市内までKTMで帰ります。運賃は4リンギッ(¥140)とバスより少し高かった。

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