MENU

2023中元節を見にローカル華人街に行ってみた

祭壇の前でお祈りをする道士のみなさん

 あれは2013年の夏、KLにMM2Hの申請書類を出すために来て、終了後ペナンに遊びに行きました。両都市のチャイナタウンで中元節とやらを行っていることに気づきます。
 祭壇を作ってお供え、お祈り、劇団の興行、路上で紙銭を燃やすなどを見て中国人の民族宗教である道教の習慣なのね、ぐらいの認識しかありませんでした。今回調べてみたら日本のお盆のルーツになる行事だったのですね。徒歩圏内にあるローカルな華人街で中元節をやっていたので、4日間に渡って見に行ってみました。

目次

中元節とは何?

 もともとは中国の民族宗教である道教の習慣です。道教は古代の老子の思想を源に不老長寿仙人思想呪術偉人の神格化などの民間信仰が融合した独特の宗教です。
 中国らしく先祖崇拝が重要。旧暦7月に祖先の霊が戻ってくるので、これを迎え、お祀りし、送り返すという行事が中元節です。
 やがて仏教の盂蘭盆会(うらぼんえ)と融合し、日本では仏教行事「お盆」として定着しました。この行事に関連するお返しとして、お世話になった方に贈り物をしたのが「お中元」の始まりです。

ペタリン
2013年KLチャイナタウンの中元節バナー
盂蘭勝會1
盂蘭勝會とも言うようです(ペナン)

 日本のお盆との違いもあります。ご先祖様の霊があの世から戻ってくるのは同じですが、地獄の門も開くため幽霊もやって来ます。旧暦7月は悪霊に取りつかれないように色々な生活上のタブーがあり、悪霊をなだめるため供物や演劇が用意されます。
 ちなみに中国語で幽霊は「鬼」、このためこの行事は鬼節とも呼ばれ、英語だと「ハングリーゴースト・フェスティバル」だそうです。

かみ銭
路上に紙銭を積み火をつけます(ペナン)
演劇
舞台がしつらえられ劇団が公演を行う
人が見るための劇ではなかった

※ 中元節に関連する解説として香港の例もあります
香港の伝統行事 盂蘭節を知る に移動します

中元節の初日・2日目

 クアラルンプールでは主要3民族が各地に自分たちのコミュニティを作って生活しています。ここはチョーキット地区にある華人(中国人)のコミュニティ。小さいながらいくつもの道教寺院があります。ちなみにトラタロウのウォーキングコースのひとつです。

華人街
ペトロナス・ツインタワーを望む華人街
バナー
とある道教寺院にこんなバナー

 2023年8月24日(木)、ここを通りかかると横断幕がありまして、何だか分からないけど8/25の午前8時に何かがあるみたい。中元节が何だか不明でしたが、帰って調べると日本ではお盆にあたる中元節のこと。明朝ウォーキングがてら行ってみましょう。

朝市
朝市が開かれる華人街に行ってみた
お年寄り
道教寺院には年配者が集まっていた
豪邸型1
紙製とは思えない絢爛豪華な邸宅型祭壇

 8/25(金)ちょっと遅めのウォーキングがてら華人街に行きました。
 道教寺院には何だか近隣のお年寄りが参集。それはよいが空き地に屋根付き仮設家屋が建てられ、そこには豪華絢爛な色彩の豪邸を模した祭壇?が20基あまり置かれていました。紙製ではあるが3~4m四方の大きさで、なかなかリアルに豪邸を表現している。

豪邸型2
両側に男女の紙像を配置
召使
「男女傭人」という召使みたい
お弁当
お弁当を作成中
もらいました
流れでもらってしまった

 9:00くらいからお年寄りが動き始める。見ていると寺院の一角に米や物品が積み重ねられており、これをお年寄りに配布していた。横断幕に「施贈貧老」とあったのはこの事だったんですね。並べばもらえそうな雰囲気はあったが、これは遠慮しました。

 

米
米5Kg袋配っていました
専門店
紙製祭壇類は専門店で買えるみたい

 仏教寺院でも何か行事を行っているのかな? ブリックフィールズにある仏教寺院Maha Vihara に行ってみました。そうしたら見事に何も無しの平常運転です。マレーシアのお盆は仏教とは関連しない? またはインド系仏教寺院は関係ない?
 インド人街でカレー食べて帰ります。魚カレー煮美味でした。

仏教寺院
インド人街の仏教寺院です
平常
特に行事の様子はありませんでした

中元節の3日目

8/26(土)やはりお祀りは夜が中心みたいなので、今日は日没直前に行きます。
行けば豪邸型祭壇はライトアップされ、遺影が置かれ、お供え物がありました。

豪邸型3
色彩が派手なのでライトアップに映える、紙製とは思えない

 紙製とはいえその大きさ、派手さ、豪華さに感心です。左右には金・銀の山を模した構造物があります。中の人形が動いたり、自動車道があったりとそれぞれ個性がありました。

豪邸型4
遺影、位牌?、お供え
豪邸型5
豪邸型祭壇もご先祖様があの世で住むための供物
豪邸型6
なんと警備員まで付属しています
自動車
車の模型、内部も再現され運転手つき

 自動車の模型が用意されていました。ご先祖様があの世に帰るときの移動手段かな。日本でもナスやキュウリで馬を作り、帰りの乗り物としてお供えする習慣がありますが、中国人は自動車とは近代的だな。

神様
本殿前の神様?
位牌
本殿前にも位牌、供物が並べられる

 中元節は旧暦7月15日より4日間行われ、この期間にご先祖様の霊が戻ってくるとか。この辺は日本のお盆とほぼ同じですね。

予定表
4日間の予定表がありました
予定表2
漢字とはいえ道教用語なので分からない

 竹の枝につけた短冊を持った一団が本堂に集まります。豪邸型祭壇の施主(この表現が適切かどうか分かりませんが、これで統一します)なのでしょう。道士(道教のお坊さん)によるお祈りの後、豪邸型祭壇前に移動しました。

施主1
立ったり膝立ちしたりして礼拝
施主2
道士の先導で祭壇に移動
祈禱
道士が祭壇をひとつひとつ回って読経します

※ 動画は環境によっては読み込みに時間がかかる場合があります

 本堂前には舞台がしつらえられ、役者が準備をしています。やがて役者が本殿で公演開始の口上を述べ、儀式を行いました。

劇団
「麒麟戯劇団」です
劇団2
前座の若手、儀式後は音響係していました
劇団3
役者がそろって口上を述べる
劇団4
仮面をかぶって舞を捧げます
劇団5
音曲担当、わずかな楽器で盛り上げます

※ 動画は環境によっては読み込みに時間がかかる場合があります

劇団6
公演が始まりました
劇団7
舞台の前に並ぶのは位牌

 麒麟戯劇団の公演が始まりましたが、見ているのは数人だけ。実はこの公演は生きている人が対象ではありません。現世に一時戻られた御先祖の霊を慰めるためのものです。

祈禱2
中央の道士長が儀式をつかさどる

※ 動画は環境によっては読み込みに時間がかかる場合があります

 外では供物、紙銭が並べられた机の周りに道士が集まり儀式がおこなわれます。やがて人形がセットされた円柱が回され、道士が筆を持ち中空に祈りの字句を書いていました。

楽団
楽団の演奏が儀式を盛り上げます
背後の円柱は何でしょう
円形
人形がセットされて円柱が回されます

※ 動画は環境によっては読み込みに時間がかかる場合があります

祈禱3
正副道士が空中に祈りの字句を書きます
人形
地面には紙銭で人型が作られていました

 まだ儀式は続くようですが、もう遅いので今日はここまでにします。

中元節最終日

8/27(日)インド系仏教寺院では中元節はありませんでしたが、中国系仏教寺院ならやっているかも。KLCCにある法界観音霊寺に行ってみました。

寺院3
ペトロナス・ツインタワーから300mぐらい
寺院4
本堂では読経が始まるところ

 結論:何もありませんでした。
 日本では中国仏教を起源とする盂蘭盆会(うらぼんえ、ご先祖を祀り、施餓鬼もする)が祖霊信仰と結びついて仏教行事お盆になりました。でも中国のお盆は道教の行事で仏教は関係ないみたいです。Ps国や地方によって異なるのかも。

盂蘭勝會2
本堂に盂蘭勝會の文字、盂蘭盆会とどう違うのかな?

 今日が中元節の最終日、チョーキット華人街に日没ごろ出かけます。今日はペナンで見たように各家の前で紙銭や供物を燃やし、ご先祖様の霊を送る風景がみれるはず。

消防
火を使うためか消防が出張っていた
何もない
あれ?どこにも燃やす雰囲気無し

 華人街のあちらこちらに送り火の煙があがる幻想的風景を期待して来たが、どこにも送り火の準備無し。でも消防車が停まり消防署員が来ていました。これはあれですね、大都会では規制が厳しく、道教寺院で消防署監督のうえで燃やすのでしょう。

祈禱5
正道士によるお祈り

 道教寺院では外に祭壇が設けられ、道士たちの音曲に合わせて正道士によるお祈りが始まります。背後には豪邸型祭壇の施主代表がひかえていました。

住民の
住民ものんびり見ています
祈禱6
お札を燃やしお祈りも佳境をむかえる
祈禱7
若い副道士の先導で施主が移動
祈禱8
皆で本堂にお参りかな
祈禱9
施主行列が駆け出しました
祈禱10
宙には紙銭がまかれます
音曲隊
道士音曲隊は地域住民のボランティアなのかな

 道士のお祈りの後、施主一同は本殿導かれてお祈り、と思ったら皆で小走りに駆け出しました。若者はともかく年配者には大変! 宙に紙銭が舞い、道士音曲隊もここぞとばかりに熱演です。

劇団7
一方、麒麟戯劇団は終演の挨拶
劇団8
舞台の撤去が始まりました
消防2
あれ?消防も撤去、燃やさないのか?
燃やさないみたいです。
船1
本堂に置いてあった船が出されます
目玉がついているのがラブリー
船2
正道士が船の周りでお札を燃やす
供物1
冥界に帰るご先祖様へのお土産類

 船は冥界に帰るご先祖様のための道しるべです。長崎の精霊流しともルーツが重なるのかな。

輿
輿(こし)と車(ナンバーがすごい)の模型
祭壇1
祭壇に紙銭が積み上げられる

 豪邸型祭壇ではご先祖様が帰られる準備です。乗り物である輿(こし)や自動車が運びこまれ、冥界でのお小遣いになる紙銭が積み上げられます。昔はこれを燃やしていたのでしょうが、大都市の人口密集地では無理だね。
 ※ 輿(こし)は昔貴婦人が乗った駕籠(かご)のような乗り物です。今でも中国式の結婚式で花嫁が乗って登場します。「玉の輿」(玉の腰ではありません・笑)のいわれです。

祭壇2
これにて4日間にわたる中元節も終了のようです
撤去
祭壇置き場の撤去も始まりました

 この記録の解説はトラタロウのわずかな道教知識と推定によるものですので、正確なものではありません。詳しい方がいたらぜひ教えていただきたいです。
 観光地とは全然関係ないローカルな華人街の素朴な年中行事でした。また行事があれば見に来たいが、次は中秋節かな?

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

『KLダイアリートラタロウ』お読みいただきありがとうございます。
姉妹ブログとして旅行と海外食生活をテーマにした『トラベルダイアリートラタロウ』https://tabivoyagetrip.blog/ もありますので、よろしければご覧ください。

コメント

コメントする

目次