10年ぶりのマレーシア国内旅行に行ってきました。今回はマレー半島東海岸部のクランタン州、トレンガヌ州、パハン州がメインで最南端のジョホール州にも寄ってみました。マレーシアの有名観光地は西海岸部に多いためあまり外国人観光客は訪れないマイナーな地域ですね。
旅行記第一弾はクランタン州の州都コタバル。以前東海岸部の島に行く経由地として半日だけ寄ったことがありますが、今回は滞在して街の雰囲気を楽しみたいと思います。
※ あまりお金のかかる観光はしません。街中をブラブラするのがメインです。
※ マレーシア通貨1リンギッ=¥40で計算しています。4年前は1リンギッ=¥30、円安で悲しい
Ringgit はよく「リンギット」と表記されますが、マレー語では語尾のTは発音しないので現地では「リンギッ」と発音されています。
※ この記事は姉妹ブログ『トラベルダイアリートラタロウ』に
「海外旅行記NO68 マレーシア東海岸部 ① コタバル編」としても掲載されます。
コタバル( Kota Bharu )の概要
マレーシア北東部にあるクランタン州(人口193万人)の首都(都市圏人口49万人)です。
クランタン州はマレー系93.3%(全国70%)、華人系2.3%(全国23%)、インド系0.2%(全国7%)とマレー系が圧倒的多数の地域。マレー系=ムスリム(イスラム教徒)ですのでイスラム色が強いのです。


青〇ジョホールバル、緑〇バトゥパハ
2026年9月21日に市内に入りましたが大通りはイスラム教のシンボルである三日月と星をあしらった赤い州旗で埋め尽くされていました。9/29がスルタン誕生日でありそのお祝いみたい。
マレーシア13州のうち9州にスルタン(地方君主)がおられ、政治の実権は制限されていますが宗教・文化の擁護者として強い影響力を持たれています。クランタン州のスルタンは第29代ムハンマド5世陛下で、2016年12月13日から2019年1月6日まで第15代マレーシア国王を務められました。
※ マレーシアの国王(アゴン)は5年任期で各スルタンによる輪番制。

Kota はマレー語で「砦・要塞」を意味しますが、そこから転じて「都市」を意味するようになりました。ドイツで城壁を意味する Brug (ブルグ)が都市を意味するようになったのと同じですね。サバ州々都コタキナバルなどKotaのつく地名がマレーシアには大変多いのです。
Bharu(普通はBaru)は「新しい」の意。これもカンポンバルなどマレーシアには多い地名。
コタバルは「新しい都市」という意味ですがマレー語では装飾語は名詞の後ろにつきます。
① コタバルへの道とお宿
クアラルンプールからコタバルは直線距離で400Kmくらい。交通手段は3つあります。
①空路…¥4000~¥7000くらい。1時間。
②鉄道…マレー鉄道東海岸線で行けないことはないみたい。ただ乗り継ぎや乗車時間の長さに問題があり、鉄道好き以外にはオススメしがたい感じ。
2026年12月にKL・コタバルを結ぶ新路線・東海岸鉄道(ECRL)が開業予定だが、どうも予定通りにいきそうもないのがマレーシアあるある。
③長距離バス…これが一番オーソドックスかな。夜行なら夜出て早朝に到着です。今回もこれ!

中国・ベトナム・インドには寝台バスがあって夜の移動にはとても快適。マレーシアは寝台バスこそありませんが、3列シートで座席が広く、リクライニングも効いていてなかなか快適。ただし冷房が強い場合があるので防寒着も用意したい。近年2階建てバスが主流になっている様子です。
※ 昔の中国長距離バスには5列シートなんぞという代物がありました。リクライニングもしなくて何かの修行をしているようでした。


バスの予約はREDBUSというアプリで簡単にできました。ただ10年前にもコタバル行き夜行バスに乗ったのですが、運賃は40リンギッ台。今回調べたら70リンギッ台と2倍近い値上げ!
安い便はないかと調べたら NAZA社のバスが1階部分が4列シートで44リンギッ(¥1760)だったのでこれに決定。寝て行くので狭いシートでも問題ないかな。


クアラルンプールからの長距離バスの多くが BTSバスステーション発です。今回は新しくできた GOMBAKバスステーション発の便にしてみました。どちらのバスタもトラタロウの住居から LRT(市内鉄道)で同じくらいの距離です。※マレー語は語尾のKはほぼ発音しないので、GOMBAKは「ゴンバッ」という感じ。
9:30のバスを待ちますが案内表示に DELAYED(遅延)の文字。あれっ、KL発の便じゃないの? KL発の便ではありませんでした。日本だと東京や大阪が始発・到着の長距離バスが多いと思いますが、マレーシアは地方都市発➡首都経由➡地方都市着みたいな便もけっこうあるみたい。

バスは1時間遅れて10:30発。ただ良いこともありました。1階のシートは4列のはずでしたが3列だった。おまけに8時間かかる予定が道路が道路が良いためか6時間半で到着。朝の5時に未明のコタバル・バスターミナル着です。
ただ早く着きすぎても困るのです。マレーシアは時差設定の関係で夜明けが7時ごろと遅い。前回は夜明けを待って市内バスに乗り、コタバルの中心部にある近郊バスターミナルに行き、そこから島に行く近郊バスに乗り換えました。ちなみに長距離バスターミナルと近郊バスターミナルを結ぶ市内バスは無くなったみたい。

グーグルマップで調べると長距離バスターミナルから予約してあるお宿まで3キロ。まだ暗いですが歩いて行くことにしたら…見事に迷いました。
バックパッカーとして方向感覚には自信があったのですが、暗かった、最短ルートは分かりにくい道だった、バスで眠れずぼ~としていた、などの要素が混ざって久々に迷いました。
夜が明けるとランドマークとなるイオンの位置も分かり、方向感覚も復活。ただGマップの推薦最短ルートは土地勘が無いと無理な感じ。少し大回りだが大通りを進んで市内に突入です。
幹線道路からイオンへの出入口にゲートがありました。ゲートの上の何かが開いたような物は開かれた『コーラン』(クルアーン)です。敬虔なムスリムが多い土地柄を示しますね。



コタバルの宿が Rose Garden Inn 。数少ないコタバル滞在記を載せたブログの作者オススメの宿。チャイナタウンや市内中心部に近い絶好のロケーション。1泊52リンギッ(¥2080 )と今回のお宿の最安値。
受付では猫が出迎えてくれました。こいつはなかなかワイルドなやつで、ヤモリを捕まえて遊んでいました。難点は季節柄なのか部屋の問題なのか洗濯物が乾かないこと。
マレーシア・コタバルのRose Garden Inn(ローズガーデンイン)に泊まった感想!コスパ最高の格安ホテル! に移動します。


② シテイ・ハデージャ中央市場( Pasar Besar Siti Khadijah )
お宿に荷を預けて街へでますが、まだ早朝なので観光施設は閉まっています。そういう時はローカル市場へ行きましょう。ここは朝が一番活気があり、逆に午後には多くの店が閉まってしまいます。

Pasar(パサー)は「市場」で Besar(ブサール)は「大きい」の意。食べ物で大盛を頼みたい時もブサールです。大市場と呼ぶのも変なので中央市場と意訳しておきました。
シティ・ハデージャはイスラム教の預言者ムハンマドの最初の妻でムスリマ(女性イスラム教徒)に人気の名前。他にもアイーシャ(ムハンマドの最愛の妻)、ファーティマ(ムハンマドの娘)なども人気だとか。男の子だとやはりムハンマドでしょうか。

市場はドームを持つ中央部から四方に建物が伸び、各部門ごとに売り場が分かれる構造。州都の中央市場らしく規模がでかいです。生鮮食品はKLの市場と似たような感じですね。離れた別の場所に小さな華人市場があり豚肉などはそちらで売られていました。


驚いたのがお菓子専門ゾーンがあったこと。マレー語で Kuih-Muih (色々なお菓子)ゾーンと表示され十数軒のお菓子店が軒を連ねる光景はKLの市場でも見たことがありません。ムスリムは酒は厳禁なので代わりにお菓子好きが多いそうです。


KLには全国から人が集まりますので各地の伝統菓子も見かけます。だがここでKLにも無いお菓子を発見。博多の鶏卵素麺にも似たタイのお菓子フォーイトーンがあったのでビックリ。でもコタバルはタイ国境まで20キロほどに位置する国境の街。わずかながらタイ族も暮らしているので全然ビックリではありませんでした。


③ ウォールアートを見に行きます
マレーシアの街にはウォールアート(ストリートアート)が多いのです。きっかけは2012年にペナンにリトアニア出身のアーティスト、アーネスト・ザカレヴィッチが招かれ多くの作品を描いて人気を博したこと。
それ以後クアラルンプールや多くの街でウォールアートが描かれるようになったとか。コタバル中心部にも近郊バスターミナルの近くに Street Art Kota Bharu と Kota Bharu Wall Art という壁画群があります。

マレーシア的なテーマとアラビックな物がありました。





ガザ紛争を描いた政治的な壁画も多かった。ムスリムは仲間を助ける精神を重要視するので反イスラエル・親ガザ・パレスチナの雰囲気がマレーシアでも強いのです。


④ 街中の情景

大型モールは郊外にあります
コタバルの中心部は中央市場と近郊バスターミナルのあたり。ここら辺は碁盤目状に区画整理されビル街が広がっています。ただビル街は古いし小さなモールや店しかなく、閉店している店舗も多い様子。
モータリゼーションが進み商業の中心は郊外の大型モールに移り、旧市街は空洞化している感じ。特に2016年にオープンしたイオンモール・コタバル店は巨大で駐車場も多くて人気みたい。



大通りのひとつにショップハウスが並んでいました。1階が店舗で2階が居住区・倉庫という中国南部や東南アジアに多い店舗・住居一体型の商業建築です。店は現代的な物に変わっていますが。


コタバル市内から郊外を走り回るのがピンクバス。以前は地方都市では古いバスが走っていたが、州都クラスの都市はこのバスに置き換えられているみたい。KLのラピッドKLバスは専用カードしか使えないが、ピンクバスは現金もOKなので使いやすい。


朝晩のラッシュ時以外は1時間に1本程度の運行。でも昼間はガラガラで採算が取れているかあやぶまれるレベル。車社会になってバスの利用者も減っているのかな。


⑤ 中国寺院に行ってみた
D13 バスに乗って街はずれにある中国寺院に行ってみました。



中国寺院といっても華人の信仰する伝統宗教は仏教と道教があります。道教は老子や神仙思想から生まれた民間宗教で神道と同じく実在の人物が神格化されるのが特徴。
ここは天上聖母を祀るお宮でしたが、10世紀に福建に実在したと言われる林家の娘が神格化された姿。仙術・法力を得て人々を救い、死後は媽祖と呼ばれ航海安全・漁業・開運・慈愛の女神として敬われています。
東海岸部には媽祖廟が多いような感じでしたが、福建出身の華人が多いのかも。


見学はすぐ終了したが帰りのバスは1時間後。直線距離ではそんなに遠くないので歩いて中心部まで帰りました。途中で中華フードコートを見つけたので昼食です。


マレーシアのフードコートはマレー系(豚肉厳禁)と華人系(豚肉OK)に分かれます。東海岸部は華人が少ないですが、華人は都市部に多いので州都なら数は少ないが中華フードコートもあるようです。
⑥ 夕暮れのクランタン川で夕陽を…見れなかった
コタバル市内のクランタン川方面に行くと高い塔があります。Menara Tinjau Tambatan Dirajaと呼ばれ、訳すと「王室波止場の展望塔」という意味。川岸には遊歩道が整備され夕陽の名所です。

マレー半島東海岸部には美しい海岸線が続きます。でも東は太陽が昇る方向なので海に沈む夕陽は見れません。半島も無いので見たければ島に渡るしかないのかな。でもこの場所ではクランタン川西岸に沈む夕陽が見れるはず…曇り空でなければね。

展望塔です


⑦ 旅のB級グルメ…こんな物を食べました
バスターミナルから市内中心部に歩いている途中、朝から営業の揚げ菓子屋を発見。米粉にグラアポン(ヤシ砂糖)を入れて揚げ焼きした菓子ペニャアム(ペニャラム)・グラアポンはサバ州・サラワク州の伝統菓子だが全国に広がっているみたい。KLでもよく見るが、ここのは揚げたてで絶品。3ヶで2リンギッ(¥80)。


マレーシア国民食のひとつがココナッツミルクを入れて炊いたご飯にオカズを組み合わせるナシレマ。持ち帰り(ブンコス)用にバナナの葉や油紙で包んだ物が路上で売られています。KLでは1ヶ2リンギッぐらいはするが、1リンギッ(¥40)という破格の安さの品(小ぶりだけど)を発見して朝食にします。


華人が人口の2.3%しかいないクランタン州だが、華人は第三次産業従事者が多いので都市部に多い傾向あり。でもコタバルでもせいぜい5~6%ぐらいしかいない(推定)ので、中華フードコートに出くわしたのは僥倖。
滑蛋河(ワッタンホー・太い米麺を使うあんかけ麺)と雲吞麺ドライ(汁なし和え麺)をいただいたが、安くてビックリ。KLなら10リンギッ(¥400)は下らないのに7~8リンギッ。ただ屋台物以外の諸物価はそんなに安くはありませんでした。


庶民的なマレー料理を食べるならナシチャンプル(混ぜご飯の意)の店。大皿に各種のオカズが盛られていますので、ご飯を盛った皿に自分の好みのオカズを取ります。魚・野菜と鶏肉・野菜にアイスティーをひとつ付けて19リンギッ(¥760)。ハズレはそんなに無いが、一部辛い物があるので嫌いな方は「NOスパイシー」な物をあらかじめ聞いておきましょう。



トーンヨート(左中)
コタバルはタイ国境にも近くタイ族も住んいるので市場でタイ伝統菓子も売っていた。鶏卵素麺みたいなフォーイトーンと砂糖シロップを含ませたトーンヨートぐらいしか分からなかったが買ってみました。
4種類セットで5リンギッ(¥200)、かなり甘いがマレー系は甘党なのでOKなのね。でもタイで食べた物の方が美味しかった。
コタバル滞在はまだ続きます。次回は『マレー半島東海岸部に行ってみた ② コタバル編(下)』の予定です。

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