なんだかミッドバレーで食品関係の催しがあるみたいです。現地食に興味のあるトラタロウが出かけてみると中華食を中心とする食品展で試食もいっぱいでした。台湾や韓国コーナーもあります。そして日系食品企業とそのマレーシア版?も出ていました。
Tastefully food expo はどこで開催かな?
開催場所はクアラルンプールを代表するモールのひとつMid Valley MegamallにあるMid Valley Exhibition Centre (MVEC KL)。メガモールにはイオン・ビックなども入っています。
公共交通機関はクラナ・ジャヤ線のAbdullah Hukum 駅下車、ガーデンズモールを経由して徒歩5分。

10時の開場前に着きましたが、もう入場待ちの人が長蛇の列を作っていました。そして全員が華人(中国系。これだけでどんな食品展かわかりますね。
マレーシアはマレー系(イスラム教)、華人系(仏教・道教)、インド系(ヒンドゥー教)で構成される社会ですが、食生活においてこの三者は混じりません。豚肉をタブーとするイスラム教徒は華人系飲食店には入りません。例外は最近KLではやっている中国イスラム地区の肉パイみたいな物。これはハラール(イスラム教徒飲食可)ですのでOK。
ヒンドゥー教徒はヴェジタリアンが多く、肉食する人も牛肉は食べませんし豚肉は敬遠します。時々中華フードコートでインド人を見ますが、間違いなくキリスト教徒。南インドにはけっこう多いのです。
華人系はほとんど食物タブーが無いのですが、やはり中華料理が一番と思っているのかマレー系料理店であまり見ません。インド系ではたまに見ます。
ムスリム系インド料理店(ナシカンダー)では割と見ます。

とにかく華人系のみが入場者のこの食品展は中華料理中心。 Asia Fest と銘打っているのは台湾・韓国料理展も同時開催しているためかな。
ちなみにマレー系・ムスリムのための大規模な食品展もKLにはあります。
2025 巨大試食会 MIHAS に行ってみた に移動します。
この食品展は無料なのですが登録すると景品がもらえるみたいで、これが行列の理由。
トラタロウは景品はいらないので。横から簡単に入れました。


華人系の催し物で欠かせないのが健康関係ブース。道教のお祭りでもこれは出ます。「医食同源」を旨とする華人社会なので、食品展にはこれがワンサカ出ていました。


マレーシア華人文化を代表するライオンダンス人形のガチャがありました。


中華系食品です
メイン会場は中華系食品の展示・販売ブースでいっぱい。調味料メーカーのブースで 探していた中華調味料・甜麺醤(てんめんじゃん)をチェックしましたがありません。これがあると回鍋肉、麻婆豆腐、ジャージャー麺などが自分で作れます。
日本でも売っているのにこれだけ華人がいるマレーシアでは見たことが無いのです。というのも甜麺醤は中国北方系の調味料で、マレーシア華人は福建・広東がルーツの南方系なので全然使わないのでしょう。


高級食材「ツバメの巣」も販売。南方系小型の海燕・アナツバメは体内から出る分泌物を使って巣を作ります。この分泌物だけ精選したのが食用となる「ツバメの巣」で、マレーシアの特産です。


試食も色々ありますが、中国人の「独特の好み」の味もあるので日本人には???という味もありました。カリーラクサはマレーシアの味でおなじみでした。


冷凍「点心」の試食。お茶と共に点心(蒸し物などの小皿料理)をつまむ食事形式・飲茶(ヤムチャ)は広州の名物。広東系移民の多いマレーシアにも点心の店は多いのです。


ひときは香ばしい匂いを出すのが肉乾(肉干)のブース。福建からの移民が伝えた豚肉の保存食品で、豚肉のみりん干しみたいな物を焼いて食べるマレーシア名物。味はアマカラで日本人にも合いそうですが、カラよりアマがかなり強い中国南方系肉料理の味付けですね。
KLチャイナタウンにも専門店があるのでお土産によさそうですが、肉製品は日本に持ち込めませんのでマレーシアで味わってください。読みは福建語の発音で「バクワ」です。
※ バクワの詳細はこちらの記事が詳しいです
【バクワとは?】マレーシアにある肉乾有名店と美味しい食べ方 に移動します。


一応豚肉を使う食品は「ノンハラール」と表示された一角に集められていました。でもムスリムらしき人は見かけませんでした。


台湾食品展も同時開催
マレーシアの華人は福建・広東にルーツを持つ人が多く、台湾も同じ傾向があります。台湾食品展が同じ会場で開催されていました。


最近台湾観光誘致の宣伝カーをよく見ます。Rapid KL バス300番には同じデザインの広告バスが何台も走っています。


日本企業・日本食品も出展です

日系食品企業で一番目立っていたのが日清食品。ちなみにインスタント麺世界シェアNO1は中国の康師傳ですが、2位は日清です。やはり世界中で売られるカップヌードルの力は強いですね。
豚骨っぽいラーメンがあったので「ハラールか?」聞いてみたら、インドネシアのハラール承認を受けているみたい。ハラール証明は世界統一の規格は無く、国ごとに認定しています。
日清はジャカルタ郊外に工場があり、そこからの製品をイスラム教徒向けに出している様子。



味の素はうま味調味料もありますが、マレーシアでは餃子を売り込み中。味付きで焼いてそのまま食べるタイプ。ちなみにマレーシアの餃子は、揚げか水餃子で焼き餃子はありません。


なんだか見覚えのあるジュースはカゴメの野菜生活シリーズでした。これらはイオンやドンキなど日系食品店だけでなく、普通のコンビニでも売っています。


テリヤキや鉄板焼きのタレを売るブース。ASAHI という企業名と日本語を見ると日系かと思いますが、正しくは SOY ASAHI というスランゴールに本社を置くマレーシア企業でした。


なかなか盛況な食品展でした。華人系は全体の23%ほどしかいませんが、経済を握るため都市部では多く( KL だと43% )、何より収入が一番高い層。華人向けの催しはそれなりの商売になりますね。

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