観光地でもある大都会クアラルンプールですが、ガイドブックにも載っていないローカル色あふれる地域を訪れてみます。今回訪れたのはクアラルンプールの北側に位置するタマン・スリ・ゴンバッ。近くにはクアラルンプール有数の観光地、ヒンドゥー教の聖地であるバトゥ・ケーヴがあります。行ってみると郊外にもかかわらず、意外と広い商業地区がありました。
※ あまり観光にも買い物にもグルメにも役立ちません(笑)。KLにこんな場所があるんだな、というだけのお話です。
タマン・スリ・ゴンバッ ( Taman Sri Gombak )はどこにある?
クアラルンプールのMustGo観光地が北方10キロに位置するヒンドゥー教の聖地バトゥ・ケーヴ。独立した石灰岩の岩山がそびえ、その中腹にある洞窟はムルガン神が祀られ参拝者・観光客が絶えません。
バトゥ・ケーヴ岩山の東には住宅地と商業地区が広がりますが、ここがタマン・スリ・ゴンバッです。Tamanは「新興住宅地」、Sriは「輝く」で Gombak が地名。なおマレー語では語尾のKはほぼ発音せず、小さい「ッ」みたいな感じになります。

(グーグルマップ俯瞰画像)
マレーシア人の7%はインド系ですが、特に都市部に多くKLだと人口の1割を占めます。そのインド系の8割ぐらいが信仰するのがヒンドゥー教。多くの神々がおられますが、マレーシアのインド人はタミル系(インド南部に多い)で、シヴァ神の息子であるムルガン神(スカンダ神)信仰が特に盛んです。
バトゥ・ケーヴも山腹の洞窟にムルガン神の神殿が作られ信者が集まるのです。毎年2月ごろに開催されるムルガン神を讃える祭りタイプーサムでは、ここに200万人もの信者が参拝に来ることで有名。
※ 2026 ヒンドゥー教の大祭タイプーサムを感じてみた に移動します。

横には槍を持ったムルガン神の像


タマン・スリ・ゴンバッ周辺には市内鉄道が来ていないので行くならバス一択。KL中心部のマスジット・ジャメ駅近くにあるレブ・アンパン( Lebuh Ampang )から202番バスで行けます。


バスで40分ほど北上すると巨大な石灰岩の岩山が見えてきました。この岩山の東に商業地区が広がっています。

商業地区散策① あれっ、インド人の町ではないの?
バスは商業区を少し過ぎた住宅街の前で停まりました。住宅街の西にはそびえる岩山がみえます。ちょっと古びた住宅街には赤い提灯や土地の守護神の祠あり。あれっ、ここは中国人の居住区なの? マレーシアの三大民族であるマレー系(イスラム教)、華人(仏教・道教)、インド系(ヒンドゥー教)は宗教・食生活・禁忌の関係でそれぞれ別個に住む傾向にあります。地区の名前(Sriはインド系の言葉)やバトゥ・ケーヴが近いことからインド系の居住区かと思ったら違うみたい。


商業地区に入っても漢字の看板があり華人が多いみたい。


マレーシアの古い商業地区に多いのが1階が店舗で2~3回が住居・倉庫という形式。1階部分は回廊でつながれており雨が降ってもOK。中国南部の騎楼(チーロウ / Shophouse)という形式が源です。


KLは大都市なので何でもありますが、けっこう多いのがお菓子材料店。マレー系・インド系は甘党ですし、華人も伝統菓子にこだわります。華人の祭り・中秋節が近いので月餅の材料や型がありました。また独立記念日も近いのでマレー系しか買いそうにない独立記念日デコレーションも有り。この品揃えから見ると華人系・マレー系が多い繁華街みたいです。


「茶餐室」がありました。華人系のフードコートを意味しますが、マレー語だと「コピティアム」(コーヒー室)になります。豚肉・牛肉を使うのでイスラム教徒のマレー系とヒンドゥー教徒のインド系は来ません。インド系みたいな人がいましたが、間違いなくキリスト教徒ですね。


商業地区散策② 華人系とマレー系の店が多い
商業地区は西側にも広がっていましたが、石灰岩の断崖が現れておしまい。ここから1Kmほど進むとバトゥ・ケーヴみたいです。ちなみに石灰岩がある場所は太古の昔は海でした。


パン屋を発見。漢字で「西餅屋」とあるので華人の店です。中国語で餅は「小麦粉製品」を意味します。月餅も米製品ではありませんよね。西(洋)の小麦粉製品なので西餅屋なのかな。


ナシ・ケラブの店も発見。これはバタフライピーの花を入れて炊いたご飯で青く染まります。マレー系のオカズと合わせるのが定番。
※ ナシ・ケラブについてはこちら
道端のバタフライピーでナシケラブを炊いてみた に移動します。




どうもここは華人系とマレー系のお店が7:3ぐらいの割合で混在している様子。トラタロウの見た限りではインド系の店はありませんでしたが、それはバトゥ・ケーヴの方に集中してあるようです。
ローカルなスーパーをのぞいてみたが、やはり華人系・マレー系の買物客が多い感じ。住む場所は違うと思いますが、お買い物場所は同じみたい。


商業地区も区画によって様式が異なるようです。建築様式には全然詳しくありませんが、様式と見た目で新旧はなんとなく分かる場合もあります。共通しているのは1階に回廊があることですね。


道路を挟んだ東側が一番新しい商業地区みたい。近くには巨大マンションもあります。

お昼時になり雨まで降ってきました。中華のフードコートがあったので昼食にします。なにか珍しい物はないかと探すと「面粉糕」なるメニューを発見。「糕」は粉を練った物を意味し、面(麺)粉は小麦粉ですので、マレーシア名物板麺のスープでいただく素朴なスイトン風の物でした。




商業地区散策③ 初めて見た、巨大テントのスーパー
商業地区の北東にも別な繁華街があるようなので行ってみました。丸いドーム型の屋根の建物に入ってみたら市場でした。ここも華人系とマレー系の店があります。豚肉は目立たない所で売られているのかな。


北の方にモスクが見えます。その周辺が住宅地なのでマレー系はそこに多いのでしょう。高校生が下校していましたが、マレー系の生徒ばかりです。


グーグルマップで下調べをしていたら、ここに新しいスーパーが開店しています。現地にいってみたらそれらしい建物がありません。発見しましたが建物を見て愕然とします!

スーパーのある位置には巨大なテントがあり、入ってみるとそのテントこそがスーパーの建物でした。この国はイベントなどで巨大はテントを立てますが、これはバスケコート5~6面は取れそうな体育館クラスの大きさで驚愕。大雨は降るが台風が来ない国なので巨大常設テントをスーパーにできるんだ。日本では不可能でしょう。


Giant というこのスーパーはKLでも北東に多く、マレー系が多い地域とダブっている気がします。この支店でも豚肉・酒の扱いは無いみたい。トラタロウは2店舗ぐらいしか行ったことはありませんが、そこはテントではありませんでした。


スーパーの周辺も商業地区。華人の店もありますがマレー系の顧客が多い地区なのかな。


雨もやみそうにないので撤収します。帰りの202番バスは10分後に来るようです。


グーグルマップでバス停を開くと次に来るバスが表示されますが、これが必ずしもあてになりません。10分後のバスが来ない、次の30分後も来ない。雨のなか待つしかありません。

1時間以上待って171番バスがきました。これは全然チェックしていなかったバスですが、行先がレブ・アンパンとなっているのでOK。
このバスはバトゥ・ケーヴ経由でKLに行くようで、車窓から黄金のムルガン神像が見えました。

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