2月末から3週間ほどフィリピン(ルソン島北部とマニラ)に行っておりまして久々の投稿です。マレーシアもフィリピンも主要民族はマレー系で似たような所もあります。でも分かれて久しく歴史も異なるので様々な相違が見られました。
移住先やリタイヤ後の定住地として人気のある両国を比べてみます。
両国の基本データです

領域…マレーシアはマレー半島部とボルネオ島北部を合わせて33万㎢(日本の0.87倍)。フィリピンは30万㎢なので少し狭いだけですが、島国(7641島もある)なので流通などの苦労が多いようです。
人口…マレーシアは3346万人でこれからの急激な人口増加は無さそう。フィリピンの方が国土は狭いのに人口はインドネシアに次ぐ東南アジア2位、1億1317万人もいます。ここ40年ほどで倍増しました。
年齢中央値…どの年齢層が多いかですが、マレーシアは26~30歳。フィリピンは22~25歳とどちらも若者が多い国です。日本なんか中央値50歳ですから。
合計特殊出生率…生涯に女性が生む子供の平均で、2.1以下だと人口が減っていきます。マレーシアは一見若者が多いのですが、合計特殊出生率は1.6と人口減少傾向。フィリピンも1.9と意外に低い。まあ日本の1.15に比べれば高いのですが。
一人当たりのGDP…3万~4万米ドルで先進国とみなされ日本は32443ドル。マレーシアは13901ドルでここから上げられるかが正念場。フィリピンは4000ドル台と低迷しています。
いろいろ比べてみました
① 民族
マレーシアは華人(中国系23%)、インド系(7%)がいますが、多数派はマレー系ですが、フィリピンも90%はマレー系みたい。マレー系民族は雲南地方発祥(諸説あり)で、南下してマレー半島~インドネシア~フィリピンに広がったとされる人々です。
でもマレーシア人とフィリピンはそんなに似ているとは感じません。ご先祖が同じでも環境の違いや混血によって変わりますからね。


時々マレーシア人に近い容貌のフィリピン人を見ました。そういう人は体格がよくて肉付きがよい人が多い感じ。現在マレーシアでは国民(特にマレー系)の半分が肥満かそれに近い状況で問題視されています。
あれ?、フィリピン人は細身の人が多い印象ですが、太らせてたらマレーシア人に似てくるかも。フィリピンでも肥満率が上昇しています。
② 英語の普及率
両国に共通する点が英語が普及していること。マレーシア(イギリス)、フィリピン(アメリカ)の支配を受けていたことと、多民族国家で英語が共通語として使われているためです。
マレーシアでは華人系・インド系は英語をよく使いますが、マレー系は人によります。マレー語が正式な国語であり、マレー文化への誇りがあるため仕事等で多民族と接触の少ない人はそんなに英語を使いません。
ちなみにマレー系、華人系、インド系の3大民族は、民族ごとに集まって住むため各コミュニティ内では民族言語のみで会話しています。初等~中等教育も民族学校に行くのがKLでは普通。


マレー語表記にこだわるマレーシアですが、フィリピンは案内・警告等はほぼ英語で現地語表記はめったに見ません。フィリピンと言えばタガログ語ですが、使用圏はルソン島中・南部のみで全人口の3割ほどしか使っていない様子。英語が一番通じる世界なのです。
旅行中は英語のみでOK。タガログ語は「パーラ」(降りますの意、乗り合い自動車ジープニーで使う)、「マサラップ」(美味しい)、「バヤッド」(お勘定)の3つしか使いませんでした。
③ 宗教
マレーシア国旗に三日月があしらわれていますが、これはイスラム教のシンボル。救急車や病院にも赤い三日月が付いています。自他ともに認めるイスラム教国ですが、ムスリムは人口の64%と意外に少ない。仏教徒(華人系)、ヒンドゥー教徒(インド系)がおり、キリスト教徒も多いためです。この4つの宗教の主要な行事(クリスマスなど)は祝日にもなっています。


フィリピンはキリスト教徒が93%(内カトリックが83%)というアジア最大のキリスト教国です。
フィリピンは史上初の世界一周で有名なマゼランによって発見され、スペインの植民地になったためカトリックが広まりました。
ちなみにマゼランはセブ島近くで現地勢力と戦って死亡したので自分は世界一周はしていません。マゼランを倒した部族長ラプラプはフィリピンの英雄として各地に像が建てられています。

④ 犬と猫
東南アジアに多い宗教が仏教とイスラム教。イスラム教徒は「犬は不浄」としているためペットにはせず、代わりに猫を可愛がります。マレーシアやインドネシアは「猫の天国」。
タイやベトナムのような仏教国は犬のタブーが無いので犬だらけ。猫もいますが路上から犬に追われるのかあまり見ません。ではキリスト教国のフィリピンはどうか?


フィリピンは犬だらけでしたが同時に猫もたくさんいました。両者は交じり合うことはありませんが、路上で共存していました。キリスト教国だから共存、ということは無いと思いますが。
トラタロウは犬も猫も好きですが、旅行先としては犬が少ない国が良いですね。犬が多いと路上がフ〇だらけで踏む危険があります。そして狂犬病怖い、かまれて発症したら100%死にます。
⑤ 華人と中華料理
トラタロウは現在クアラルンプール在住ですが、ここを選んだ理由のひとつが外食の選択肢の多さ。マレー料理、インド料理、そして華人が多いため中華料理が豊富なのです。ただ中国南部からの移民子孫が多いため回鍋肉やジャージャー麵のような北方系中華は見ません。
ただマレー系はムスリムが多いので豚肉を使う中華料理は食べません。インド系はヒンドゥー教徒が多く豚肉は避ける傾向にありますので食べません。マレーシアの中華料理店には基本華人しか来ませんね。たまにインド系を見ますがキリスト教徒でしょう。

フィリピンの華人は人口の1.6%と少ないですが経済を握っていると言われます。胃袋も握っておりChowking (超群)という中華料理店チェーンが500店舗以上全国展開中。キリスト教徒は豚肉OKなので4%ほどいるムスリム以外は中華大好きフィリピン人。
特に肉まん、春巻き、焼売が大人気でストリートフードの代表格になっています。春巻きは野菜主体のルンピア、肉入り小ぶりなシャンハイ、バナナを入れたトゥロンなど種類も豊富です。



⑥ 大衆食堂
様々な料理の選択肢があるマレーシアは知られざるB級グルメ天国です。ことマレー料理の飲食に関してはナシチャンプルという選択がオススメ。
ナシチャンプル店には10~20種類ほどの料理がバットに入れられ並んでいます。お皿にご飯を盛ってもらったら、美味しそうなオカズを自分でよそうスタイル。
ご飯とおかず2~3品で十分満腹になります。ハラール(ムスリム飲食可)料理ですので豚肉はありませんが、チキン、ビーフ、魚が豊富です。
※ 詳しくはこちら 世界のB級グルメ/06 ナシ・チャンプル in マレーシア に移動します。

フィリピンの大衆食堂はカサンデリアといい、至る所にあります。ご飯と合わせるのはナシチャンプルと同じですが、オカズは店の人が取ってくれます。
オカズは豚肉系が多いが、意外なことに醤油味が中心。ただ大量のご飯を少しのオカズで食べるという習慣が残るため味付けは濃いめ。オカズを多くするとしょっぱくて食べきれなくなる可能性があります。
マレーシアと同じなのが、食事時に甘いジュース類を飲む習慣があること。成人病が増える要因ですね。
オカズだけ買ったり、お弁当にして持ち帰れるのも同じかな。



⑦ 麺類
B級グルメ天国マレーシアですが特筆すべきは麺類の豊富さ。広東や福建からの移民の子孫が多いので、中国南方系の麺類がそろっています。マレーシアで生まれたカリーミーがイチオシです。
ムスリムが多いため中華系麺類は食べないマレー系ですが、ラクサ、ミールブス、ミーバンドンなど独自のハラール麺類を生み出しています。特にラクサは各地にご当地ラクサがあり食べ比べも楽しい。
マレーシアの麺類情報をまとめようとしていますが、数が多すぎてなかなか進みません。

中華料理の影響が強いフィリピンの麺類を楽しみにしていましたが、結果的にはガッカリ。中華麺を使ったパンシット・カントンなど炒め麺系は至る所で食べられますが、スープ麺は貧弱。
醤油味のマミ、マレーシアにもあるとろみ麺ローミー、ルソン島北部のご当地麺ミキなどがありますが、なかなか見かけないし、残念な味が多かった。
中華チェーン店Chowking (超群)でもワンタンメンなど食べてみましたがいまひとつ。

フィリピンは東南アジアの麺類不毛地帯と感じました。その代わりではないがカップヌードルが異常進化中。軽くおやつを食べる習慣(ミリエンダ)に合わせて半分サイズのカップヌードルが売られています。
フレーバーも豊富で、日本でも売れそうな味がたくさんあります。ちなみにマニラ空港のラウンジにも置いてあった。


⑧ 屋台
マレーシアもフィリピンも東南アジアらしく屋台天国です。マレーシアの屋台は車で機材を運んできてテントを張って設置する正統派? ところがフィリピンのそれはオートバイにサイドカー式に屋台がセットされていました。さすがに広さはありませんが、傘をセットすることも可能。なによりその機動力は他の追従を許しません。


⑨ 交通事故
マレーシアは良い所なのですが最大の欠点が「超車優先社会」であること。横断歩道が描かれた道の前に立っていたら、日本では待つほども無く車が止まってくれますよね。マレーシアではほぼありません(100台に数台は止まってくれるかもレベル)。一方歩行者も信号機が赤でも車が来なければ渡ってしまいます。
少し古いデータ(2009年)ですが人口10万人あたりの交通事故死亡者23.6人と多いです。日本は2.6人(2016年)でした。車も危険ですがKLではバイクが増えて危険走行をするので要注意。


前述の2009年のデータでフィリピンはどうかというと20.0人でした。これは嘘とは言いませんが正しくは無いでしょう。フィリピン在住 YouTuber の動画など見るとすべての事故に警察が対処するとは限らないそうです。示談だか脅しだかで闇に葬られる交通事故死亡者も多いのでは?。
昔フィリピン人の免許取得のTV番組を見て驚愕! 試験も何もなく申請するだけでした。現在はどうなんだ?
⑩ 首都の鉄道網
マレーシアは外国人でもなんとか運転できるレベルかな? でもトラタロウは運転はしていません。KL市内なら13路線もの鉄道網があり、バス路線も使えばどこへでも行けますので。働いている人や子供の学校送迎がある人は車運転が必要ですので大変です。


マニラは「駐在員運転禁止」の指示を出す企業があるほど運転危険な都市。でも都市鉄道は3路線しかなく、朝夕のラッシュは東京並み。でもあまり見所の無いマニラはこの3路線だけで主要観光地に行けてしまいました。
※ 電車の床とホームのあいだに20センチぐらい高低差あります。降りるときに足元注意。
フィリピンは敬老精神が強いので、トラタロウは電車でよく席を譲られました。
⑪ 外国人労働者
マレーシアには三大民族がいますが、KLではパキスタン、ネパール、バングラデシュなど様々な国籍の人々が見受けられます。実はマレーシアには外国人労働者が多く、その数200万人以上。労働人口の15%が外国人です。
警備員は多くがネパール人。これは大英帝国支配時代にネパール人(グルカ族が有名)が傭兵としてイギリスに雇われ、第二次大戦後は香港などで警備員となりその能力・忠誠心が高く評価されているという歴史的背景があります。


フィリピンは逆に人口の実に1割を占める1200万人もの人々が海外に出稼ぎに行き国。国内産業が未発達で仕事が少ないのが背景。英語力が高いのもこれに拍車をかけています。KLチャイナタウンの隣コタラヤには出稼ぎフィリピン人を見込んだフィリピン飲食店・雑貨店ビルがあります。
⑫ 治安
マレーシアの首都クアラルンプールは観光地でもありますので、置き引きやひったくりのような軽犯罪はあると思います。でも強盗殺人などの凶悪犯罪はほとんどありません。夜でも繁華街なら歩くことができます。
3年以上住んでいるトラタロウですが、今のところ無事に過ごしています。日本人だと分かると金を持っていると思われ、狙われる可能性はあるかも。でもKL人口の4割以上は華人系なので区別がつきませんね。


今回の旅はルソン島北部の田舎が中心だったので特に治安が悪い感じはありませんでした。でも夜の街をうろつくのはひかえていました。
最後にマニラに来て驚愕! KLでも貴金属店などには武装ガードマンがいる所もありますが、マニラではモール、スーパー、時にはコンビニにさえ武装ガードマンがいるではありませんか。銃器の規制が厳格なマレーシアに対して、フィリピンは銃犯罪が多いようです。
日本人も狙われているのか1~2件ですが毎年日本人が強盗殺人等の被害者になっています。
※ フィリピンを愛する日本人在比者も多いようですが、トラタロウ的にはマレーシアの方が合いますね。
特にマニラは一般庶民の住む所は治安の悪い場所も多いようなので、ローカル食大好きなトラタロウには困ります。
おまけのフィリピン画像
今回は完全に初めての土地だったので新鮮。世界遺産も4つも見ました。ルソン島北部山岳地帯には大規模な棚田が残り、特異な景観を見ることができます。




フィリピンの大都市から田舎まで広く活躍するのが乗り合い自動車ジープニーとサイドカーバイクのタクシーであるトライシクル。外装も個性的。


国民の8割がカトリックのお国柄、各地に教会・大聖堂が残ります。ルソン島北部では2つの大聖堂が世界遺産に認定されていました。


フィリピンを代表する氷菓がハロハロ。どこにでもあると思ったら無い所には全然ありません。ファストフードチェーン店で食べるのが確実ですが情緒に欠ける。路上の地元ハロハロを10回ほど食べました。
※ トラタロウ一行はフィリピンで何を飲み食いしても大丈夫でした。でも衛生状態に難がある店もあるので、よく見極め、覚悟を持ってローカル食は楽しんでください。


華人はほとんど見ませんでしたが、春節飾りをした店や中国寺院は見かけます。


フィリピンは買い食い文化の地。特に若者が多いのでストリートフード店が大にぎわいです。


長い間スペインの支配下にあったので地名はスペイン風の物が多い。古いスペイン風建築が残る町ビガンは世界遺産です。


円安で1フィリピンペソは¥2.7くらい。ちょうど新しい紙幣が出ている時に来たので、紙の旧紙幣とプラの新紙幣が両方使われていました。


とある町の早朝。お宿の前を楽隊を先頭にしたパレードが通ります。何のお祭りかと見ていたら棺桶を積んだ葬霊柩馬車が通過して仰天! こちらのお葬式は派手なのね。


ストリートフード天国のフィリピン。マレーシアと共通するのが揚げ物大好き。



※ フィリピン旅行記、B級グルメ記事は姉妹ブログ『トラベルダイアリートラタロウ』で公開します。
鋭意製作中!

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