マレーシアは知られざる麺料理天国。人口の23%が華人(中国系)であり、主に中国南方系の麵料理が沢山伝わっているのです。華人系麺料理は豚肉も使うのでムスリムは食べられない物もありますが、ラクサという麺料理はハラール(ムスリム飲食可)仕様です。マレーシア各地にご当地ラクサがありますが、ボルネオ島北西部サラワク州のラクサを提供する専門店を見つけたので行ってみました。
※ 2026年2月現在1リンギッ=¥40ほど、円安です
ラクサはどんな麺料理かな
ラクサはマレーシア・シンガポールのご当地麺です。基本は魚介ベースの出汁にスパイス、ココナッツミルクを合わせたスープを使い、ビーフン(米粉)という米製麺を合わせることが多いです。
ペナンのアッサムラクサ、マラッカのニョニャラクサ、KLのカリーラクサなどマレーシアの各地にご当地ラクサがあるのはラーメンに似ていますね。
※ オススメのニョニャラクサの店はこちら
ミシュランに載るリマプロのニョニャラクサを食べてみた に移動します。

先だってクアラルンプールの東側アンパン地区(Ampang)に遊びに行きました。日本人には???な地名のそこには華人の大きなコミュニティがあります。
昼食に華人街のフードコートへ行きましたらサラワクラクサの店があったので注文。出てきたそれは美味しいのですが、華人の店なためかムスリム・フードであるはずのラクサとは何かが違う感じ。
サラワク州にも華人は大勢いるので華人風サラワクラクサもありですが、ムスリム向けの物も食べてみたいのです。


麺が中華麺だぜ

豚肉が盛られているぜ
サラワクラクサの専門店を発見です
インターネットのありがたさ、グーグルマップでサラワクラクサの店を検索してみるとKL市内に十数件の店がヒット。その中の一件が評判も良く、自宅から徒歩圏内にあるので行ってみました。

発見したお店 レストラン・ダプール・サラワクはKL中心部からちょっと外れています。公共交通機関だとMRTプトラジャヤ線ティティワンサ駅下車徒歩10分(アンパン線、スリプタリン線でも可)。バスだとLRTマスジット・ジャメ駅に近いレブアンパン通りから250番バス(LRTワンサマジュ駅行き)に乗り、クアラルンプール病院の先にある大きなラウンドアバウトを通過した所のバス亭下車です。トラタロウはウォーキングがてらマスジット・ジャメ駅あたりから歩いて行ったら1時間ちょっとでした。


レストラン・ダプール・サラワクの外見はトップ画像のそれ。大通りからひとつ内側に入った飲食店街にありました。Dapurはマレー語で「台所」なので「キッチン・サラワク」ですね。
レストランというだけあって内装もきれいでオシャレな感じです。ちなみにマレー語でレストランはRestoranで英語のRestaurantと微妙に違うのが面白い。Bus=Bas、Clinic=Klinic、Club=Kelab とかが例ですがマレーシアあるあるですね。


メニューを拝見

サラワクラクサは「普通」と「スペシャル」しかありません。コロミーの方はプレーン、チキン、牛肉、羊肉などバリエーションが多いです。特筆すべきはレストランなのに価格は屋台並みであること。
マレー語だと修飾される言葉が先にくるのでサラワクラクサは Laksa Sarawaku 、コロミーは Mee Kolok になります。※ Kolok の語尾のKは発音しません。
裏面にある Nasi Aruk はサラワク風のナシゴレン(チャーハン)です。


店の左手には細長いテーブルがあり、サラワクのお菓子とスナックが並びます。取り皿が置いてあり自分で取って自己申告みたいです。

サラワクお菓子の代表格が Kek Lapis (層のケーキ)。Kek は Cake のマレー語でバージョンで、鮮やかなケーキ生地が幾層にも重なった見栄えの良いお菓子です。見た目だけでなく味も良いのですが、割と高いのが難。一切れで3.5~4リンギッ(¥150前後)もしますが食べる価値あり。


リーズナブルなお菓子もあります。ペニャラム(グラアポン)はインドネシア、フィリピンにもある揚げ菓子。米粉にヤシ砂糖を入れた生地を小鍋で揚げ焼きしました。中央はふっくら、端はカリッとした食感のキャラメル味。


日替わり限定お菓子や葉に包んだご飯などもありました。


サラワクラクサ実食です
運ばれてきたサラワクラクサには薄い卵焼きの細切れがのっていました。具が卵焼きという麺料理はマレーシアであまり見たことがありませんが、サラワクラクサでは標準みたいです。他は茹でエビ、茹で鶏肉細切れ、もやし。
香菜が散らしてあるのは珍しい。タイでいうパクチー、マレー語で Ketumbar(クトゥンバル)です。スーパーでも売られてはいますが、タイほど頻繁につかう習慣はありません。
麺は標準的な中細のビーフンで特筆すべき点は無しかな。

まずスープをいただいて驚愕! 具の茹でエビに頭がついてなかったので、これで出汁を取っているなと想像していました。ところがスープは単純なエビの味だけではなく、幾重にも積み重ねられた複雑なうま味の集合体です。何をどうしたらこんな味が出せる?秘伝の出汁や調合スパイスの組み合わせか。麺や具は「普通」ですが、このスープを賞味するために来る価値がありますね。
小皿のサンバル(辛味噌)とカラマンシー(小粒ライム)が付くので、これで味変するのも良しです。ただテーブルに置かれている甘醤油みたいな調味料まで入れるとくどかった。


チキン・コロミーも頼みましたが、こちらは普通かな。ただラクサにも入っていた茹で鶏肉がちょっと普通と違います。よくある具材ですが、普通は茹でた鶏肉を細長く裂いただけ。
ところがキッチン・サラワクの物は裂きイカみたいな見た目で食感も独特でした。作り方が何か違うようですが見当もつきません。

お店の位置はKL中心部から外れてはいますが、サラワクラクサ普通盛りで 9.5リンギッは安い! それなのに美味い。盛りは少な目と感じましたが、スープを飲み干さずにはいられなかったので満足でした。
レイヤーケーキとペニャラムも美味しい。特にケーキはすごく美味しい。高いだけはある。


後日また行きました。初回は「普通」を食べたのですが「スペシャル」があるのに気づいていました。何か特別な具がのってたりするのかな、好奇心がうずきます。これは食べてみねば。
注文し運ばれてきた「スペシャル」を見て愕然としました。具の茹でエビが2尾から4尾になっただけ…。エビ好きなら歓喜でしょうが、さほど好きでもないトラタロウには無価値です。

この原稿を書いているとまた食べたくなってきました。あのスープはクセになります。
自転車で行けばすぐなので出かけようとして現在ラマダン(イスラム教の断食期間)中なのに気づきました。この時期はイスラム教徒の多いマレー系飲食店の多くは日没後にしか開いていないのです。自動車優先社会のKLで日没後に自転車は危険すぎます。ラマダン明けまでおあずけですね。

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